自社の売り上げを伸ばすには、同じような事業を行っている競合他社に勝つ必要があります。では競合他社に勝つためには、何をすればいいのでしょうか?
それは競合分析です。分析を行うことで、競合会社の集客方法やホームページの内容といった情報を知ることができます。そしてその情報をもとに、ライバルに打ち勝つ方法を模索していくわけです。
また競合分析でわかるのは、他社の情報だけではありません。比較することで自社を客観的に見ることができるため、これまで気づかなかった強みや弱みを知ることもあるのです。
他社に勝つために競合分析を
インターネット上で物を購入するときやサービスの利用を申し込む場合、1つのサイトだけを見てその会社の商品やサービスに決定する人がどれだけいるでしょうか。
たいていの場合は、検索結果からいくつかのサイトを選択し、それらのサイトの中身を見ながら比較をしたのち、最終的にどこで購入するかを決定することになるでしょう。
自社のホームページで購入、サービスの利用をしてもらうには、競合他社との比較に勝ち抜き、自社ホームページを顧客に選んでもらわなければなりません。
そのためには、まず競合他社を調査して自社と比較し、それぞれの強みや弱みを知っておく必要があります。これが競合分析です。ここでは、インターネット上でライバルとなる会社との競合分析の方法についてまとめていきます。
ターゲットを把握する
競合を分析する前に、まずはターゲットをはっきりさせる必要があります。
ここでいうターゲットとは2つあります。1つ目のターゲットは、自社の商品やサービスを購入してくれる顧客のことです。そして2つ目のターゲットは、自社のライバルとなる競合他社のことです。
自社の商品やサービスは、どういったお客様が対象となっているのか。自社が対象とする顧客像が明確になっていないと競合分析をするにも的外れなものになってしまいます。
顧客ターゲットを把握することができたら、その顧客ターゲットに対するインターネット上の競合他社を選定します。
自社のターゲットとなる顧客を分析する
他社を知る前にまず自社を知ることが必要です。自社ホームページにはどのような人が訪問しているのか、自社ホームページの顧客分析をすることが先決となります。年齢層や性別、職業、居住エリアなど顧客の属性を調査し把握します。
そして、どのようなルートでホームページを訪れるのか流入経路を分析し、さらにどういったキーワードで流入してくるのかを調査します。
どのような顧客が何を求めてホームページに訪れるのかを分析することで、顧客のニーズを把握し、自社がターゲットとする顧客像を明確にすることができます。
競合調査のターゲットとなる他社を選定する
インターネット上での競合会社は、必ずしも同じ業種で同じくらいの規模の会社になるわけではありません。インターネットでは、ユーザーが必要とする情報を検索した際に、そのキーワードに合致していると思われるサイトが表示されます。
したがって、想定もしていなかった業種のホームページが上位に表示されていることもありますし、小規模でもSEO対策をしっかり行っている会社のホームページが表示されることもあります。
自社のホームページに流入の多いキーワードで検索した際に、検索エンジンの上位に表示されるホームページを運営している会社が、インターネット上での競合他社となるわけです。
集客方法を調査する
競合分析のターゲットが決定したら、次はそのライバルサイトがどのような方法でサイトに人を集めているのか、集客の方法を調査していきます。
自社ホームページの顧客分析と同じく、どのような人がどのくらい訪問しているのかアクセス数や訪問者の属性、平均滞在時間数、流入経路などを調べることで他社サイトの状況が把握できます。
アクセス数・滞在時間
ライバルサイトにはどのくらいのアクセス数があるのかがわかれば、自社ホームページとの単純な比較が可能になります。自社サイトよりも格段に多いユーザーが訪れているということであれば、その市場はまだまだ開拓の余地があり、自社では取りこぼしが多くなっているということがわかります。
また滞在時間が長ければ、ユーザーにとってそれだけ魅力的な情報があるサイトだという判断になります。自社ホームページにおける平均滞在時間数と比べてみて、コンテンツ内容や掲載している情報のボリュームなどを見直すきっかけになります。
流入経路
検索結果からの流入は多いのか、SNSや広告、外部サイトからの流入はどのくらいなのかを分析することで、どういった経路で集客できているのかがわかります。
広告はどのようなものを展開しているかを調査し、効果的な手段や用いているビジュアル、キャッチコピー、ランディングページを自社と比較します。リスティング広告で指定しているキーワードなども、自社では思いつかなかったコストパフォーマンスの高いキーワードが見つかる場合もあります。
ターゲットとなる顧客が重なるため、他社で成功している集客方法は自社に活かせることは確実です。自社で行っていない有効的な集客方法がわかれば、積極的に取り入れることができます。
SEO対策
ユーザーが検索するであろうと想定したキーワードでの検索順位を調査します。また実際に流入しているキーワードを比較すると、自社が対策しているものとは異なるキーワードからの流入が多い場合もあります。また、他社が対策を行っているキーワードもタグなどから調べることができます。
被リンク数やリンク先のサイトなども調査すると、ライバルがどのくらいSEO対策に力を入れているのかも把握することができます。強力なSEO対策を施し、上位表示に成功しているキーワードがあった場合には、追随を図るのが難しい場合もあります。
その際は、ライバルとは重ならない別のキーワードに注力してSEO対策を見直すことも大切です。
競合分析の調査方法は? おすすめのツール
自社のホームページであればアクセス解析を利用することで数値的なデータを得ることができますが、他社サイトのアクセス数や平均滞在時間数などを調べる場合にも、さまざまな分析ツールが出ています。
有料の物もあれば無料で使えるものもあります。ここでは、無料でも使えるおすすめのツールをいくつかご紹介します。
eMark+(http://www.valuesccg.com/)
競合他社のユニークユーザー数や平均滞在時間、ユーザーの性別や年齢など属性を知ることができます。広告別の集客効果、流入元のサイトも調べることができます。
スマートフォンのデータも収集・分析することができ、月次推移をチェックできる機能もついています。無料で利用できるサービスも多くあります。
SimilarWeb(https://www.similarweb.com/)
競合サイトのアクセス数、流入元のサイト、平均滞在時間数、直帰率、流入キーワードなどを調べることができます。無料で利用できる機能もあり、有料版ではSEO対策の状況や広告の実施状況などについても調べることができます。
GRC(http://seopro.jp/grc/)
主な検索エンジンで何位に表示されるのかを調査し、履歴を記録する検索順位ツールです。時刻を指定し、定期的に順位を計測して記録できるので、時間帯や曜日によって利用者数が変化する場合には特に役立つツールになります。ほとんどの機能を無料で利用できます。
ホームページ内容の調査
競合分析においてライバルサイトの集客方法を調べるとともに必要なのは、ホームページの内容を調べることです。
訪問した人がサイトにどのような印象を抱くのか、コンテンツの充実度やデザイン、機能性、ナビゲーションを含むサイトの使いやすさなどを総合的に評価します。
競合サイトの大まかな構成を把握する
競合サイトはどのような構造になっているのか、全体像を把握することが大切です。階層やページ数などサイトの骨組みを把握します。サイト構成図を一覧として表示できるようなツールもあります。
コンテンツを比較する
サイト構成図を元に自社ホームページと比較することで、自社にはないが他社にはあるコンテンツや、他社が充実させているコンテンツなどを知ることができます。コンテンツ毎にタイトルやページを比較し、他社がどこに力を入れているのかを分析します。
サイトのイメージ・導線を比較する
トップページのイメージ、ビジュアルやキャッチコピーなどを比較します。メニューはわかりやすいか、会員登録や購入ページなどのエントリーフォームの入力しやすさなどを比較します。
特に自社サイトで離脱率の高いページは細かく比較する必要があります。例えばエントリーフォームは、入力項目が多く複雑な入力方法だと手間だと感じることが多く、入力が完了する前に離脱してしまいます。
競合分析することで自社の強みと弱みを知る
競合分析を行うにあたり、まずは自社ホームページの顧客分析を行い、ターゲットとなる顧客をしっかり把握しておくことが重要になります。ターゲットの把握は、競合会社の絞り込みを行うための、スタートとなるポイントです。
ターゲットを把握し競合会社との分析、比較を行っていく中で、見えてくるものはたくさんあります。自社と他社との集客方法やサイトの内容の違いを比較し、他社が成功している部分についてはできるところから積極的に模倣すべきです。また、他社と比較することで自社の強みについても知ることができます。
ウィークポイントは補強し、ストロングポイントはより強化することで自社のホームページをより良いものに改善することができるでしょう。