インターネットが広く普及したことで、さまざまなインターネット広告が登場しました。インターネット広告に取り組んでいる方や興味を持っている方は、「リスティング広告」について一度は聞いたことがあることでしょう。リスティング広告は手軽に運用を開始することができるだけでなく、適切に運用すればメリットも大きいという特徴があります。
こちらの記事では、リスティング広告とはどういった広告で、どんなメリット・デメリットがあるのか、そしてリスティング運用で効果を上げるには何を意識するべきなのかをご紹介します。
目次
リスティング広告ってどんな広告?
まずはリスティング広告とはどういった広告なのかを確認しておきましょう。リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンでキーワードを打ち込んで検索した際に検索結果の画面に表示される広告です。代表的なリスティング広告として、GoogleAdWordsやYahoo!JAPANプロモーション広告などが挙げられます。また、リスティング広告は検索されたキーワード(検索クエリ)に応じて広告が掲載されるため、「検索連動型広告」と呼ばれることもあります。
リスティング広告の仕組みと費用
では、リスティング広告が表示される仕組みと費用はどのようになっているのでしょうか。リスティング広告はテレビや新聞への広告出稿とは異なる仕組みと費用体系を持っています。ここでは、リスティング広告の仕組みと料金について確認しておきましょう。
リスティング広告はクリック課金型
リスティング広告は「PPC(ペイ・パー・クリック)広告」と呼ばれる広告形式で、クリック課金型広告とも言われます。テレビや新聞、雑誌に広告出稿する場合には、広告を掲載することに対して費用が発生します。一方で、リスティング広告の場合は広告が表示され、ユーザーがクリックすることで初めて料金が発生するのです。ここが、従来の広告と大きく違う点だといえるでしょう。
広告料金は入札形式で決定
リスティング広告は、オークションのように広告を表示させたいキーワードに対して最低入札価格以上の金額で入札することによって料金が決定します。この最低入札価格はキーワードの競合性などによって異なり、1円から9,999円の間で変動します。基本的には、検索回数が多いキーワードほど最低入札価格が高額になります。先述の通り、リスティング広告はユーザーがクリックすることによって料金が発生するので、広告媒体に支払われる料金は、「入札価格×クリック回数」となるのです。
どのように掲載順位が決まる?
次に、リスティング広告はどのように掲載されるのかについて確認しましょう。じつは、単に入札価格が高ければ優先的に広告が掲載されるというわけではありません。リスティング広告の掲載順位は、入札価格と広告の品質をかけ合わせた「広告ランク」によって決定されます。広告の品質は、キーワードと広告の関連性やクリック率が主な要素になります。この広告ランクが高いほど、優先的に検索結果に表示されるというわけです。
リスティング運用のメリットとは
従来の広告出稿とは掲載の仕組みや料金体系が大きく異なるリスティング広告ですが、具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。ここでは、リスティング広告運用のメリットについてご紹介します。
顧客になる可能性が高いユーザーにアプローチできる
リスティング広告の大きなメリットのひとつに、自社の商品やサービスに興味を抱く可能性が高いユーザーに対して効率的にアプローチすることができる点が挙げられます。例えば、東京にある家具屋さんが「家具 東京」というキーワードでリスティング広告を出稿したとします。「家具 東京」で検索するユーザーは東京で家具屋さんを探している可能性が非常に高いといえるでしょう。このように、自社のターゲットが検索する可能性が高いキーワードで広告を表示させることができるのです。
予算に応じて出稿することができる
少ない予算から運用を開始できる点もリスティング広告の特徴だといえるでしょう。リスティング広告は従来のように掲載するだけで費用が発生するわけではなく、クリックされて初めて費用が発生します。また、キーワードの入札額は自分で設定することができ、クリック単価の上限を設定することも可能です。そのため、少ない予算から運用をはじめて、効果に応じて広告にかける費用を調節することも可能です。
効果測定が容易で次のアクションを起こしやすい
リスティング広告は効果を確認しやすいという特徴もあります。掲載された広告が何回クリックされて、どれだけコンバージョンに至ったのかなど、費用対効果を細かく把握することができます。また、広告を出稿したり取りやめたりといった調整も容易です。そのため、コンバージョンにつながっている広告や、思うように効果が出ていない広告をこまめに確認することで、すぐに改善に向けた行動を取れるというメリットがあるのです。
デメリットも把握しておくことが重要
その一方で、リスティング運用にはデメリットも存在します。リスティング広告を運用する際には、メリットだけでなくデメリットにも目を向けることが大切です。適切に運用して効果を得るためにも、リスティング広告の長所・短所を把握しておきましょう。
認知度向上には向かない
リスティング広告は自社に興味や関心を抱く可能性が高いユーザーにアプローチすることには長けていますが、認知度の向上には効果を見込むことができません。テレビや雑誌などの広告の場合、興味や関心の有無にかかわらず不特定多数の人々に広告することが可能です。一方で、ユーザーが検索したキーワードに連動して広告が表示されるリスティング広告は、すでに興味や関心をいだいている一部の人々にしか見られることはないのです。こうした理由からも、認知度の向上には不向きだと言えるでしょう。
長期的には割高になってしまう場合も
ホームページのコンテンツを充実させて検索結果の上位に表示させることは、多くの労力と時間がかかる一方で、ホームページ自体の価値を高めるということでもあります。リスティング運用はその反対で、費用をかけて広告出稿している間は多くの人に存在をアピールすることができますが、出稿を取りやめたあとは何も残りません。つまり、コツコツとホームページを充実させて集客力を高めていくよりも、長期的に見ると割高になってしまう可能性があると言えるでしょう。
効率的なリスティング運用のコツ
リスティング広告のメリット・デメリットを踏まえた上で、効果的にリスティングを運用するにはどういったポイントを意識すればよいのでしょうか。リスティング運用で効果を得るためには、コツあるのです。ここでは、リスティングを運用する上で覚えておきたいポイントをご紹介します。
リスティング運用は試行錯誤がカギ
リスティング広告の効果を高めていくための手段として、ABテストがあります。2種類の異なる広告文を用意して効果を比較し、より効果の高い方を残して新たな広告と効果を比較していきます。これを繰り返すことによって、よりコンバージョンにつながりやすい広告分へとブラッシュアップされていきます。
また、キーワードの設定においても、効果をこまめに確認することが重要です。定期的に運用状況を確認し、コンバージョンを獲得しておらずコストだけがかさんでいるキーワードは除外するようにしましょう。
広告文もキーワード設定も、リスティング運用はこまめな試行錯誤が重要なのです。
ホームページのコンテンツも並行して充実させる
リスティング運用の際には、並行してホームページのコンテンツも充実させていくことが重要です。先述の通り、リスティング運用は費用をかけることでユーザーにアピールする機会を増やすことができますが、ホームページ自体の集客力を高めることはできません。こうしたリスティング広告のデメリットを補うためにも、しっかりとホームページのコンテンツを充実させていくことが重要なのです。
ポイントを抑えて効率的に運用しよう
今回はリスティング広告に焦点を当て、特徴や運用のポイントをご紹介しました。テレビや雑誌などの広告とは異なり手軽に始められるリスティング広告は、適切に運用することで高い効果を得ることも可能です。メリット・デメリットを理解したうえで、ホームページのコンテンツを充実させつつ、こまめに管理することがリスティング運用では重要になります。今回ご紹介した情報も参考に、リスティング運用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。