会社を立ち上げたときや商店の経営を始めた当初などは、当然常連客は存在しません。そのため、新規に顧客を獲得する必要があります。しかし新規顧客が必要なのは、事業を始めたときだけではありません。なぜなら、新規の顧客がいなければ経営を安定させることも、今以上に事業を拡大することができないからです。
こちらの記事では、新規顧客を効率的に獲得するための方法や、既存顧客を常連客にするためのポイントについてご紹介します。
新規顧客の開拓が必要な理由
会社を経営していく上で、既存顧客の確保だけでなく、新規顧客を獲得することは重要です。まずは、新規顧客の開拓が必要な理由を確認しておきましょう。
まずひとつ目の理由として、既存顧客のみでは事業拡大が難しいという点が挙げられます。事業を拡大しようとする際、高額な商品やサービスを販売することによる単価アップや、関連商品などの販売である程度の事業拡大は可能だと言えるでしょう。しかし、持続的、もしくは大幅な事業拡大を目指すのであれば、既存顧客への販売努力だけでは限界があります。そのため、新規顧客の獲得が重要になるのです。
次に、新規顧客が必要な理由として、既存顧客が競合他社へと流出してしまう可能性も挙げられます。市場における地位を確立している場合や、競合となる同業他社が存在しない特殊な分野でない限り、常に製品の性能やサービス内容、価格面などにおいて、競合他社との競争が必要になります。そのため、たとえ一度自社の製品やサービスを利用してくれたとしても、他社の製品やサービスに魅力を感じればつなぎとめるのは難しいと言えます。こういった理由から、自社の製品やサービスを新規顧客にアピールし、離れていく顧客以上の新規顧客を獲得していくことが重要になります。
新規顧客の開拓を効率化する4つのポイント
新規に顧客を獲得するのは簡単なことではありません。既存顧客に対して製品やサービスを販売する場合よりもコストも手間が必要になります。しかし、事業拡大はもとより、継続して利益を得るためにも、新規顧客の獲得は不可欠です。そのため、いかに効率的に新規顧客を獲得していくかが重要になります。ここでは、新規顧客の獲得に取り組む際のポイントをご紹介します。
「誰に」「何を」アピールするのか
新規顧客を獲得するには、「誰に」、「何を」アピールするのかという点を明確にしておくことが重要です。まずは、誰に対してアピールするのか、つまり、ターゲットを決める必要があります。ターゲットを決定する際には、市場細分化を意味する「セグメンテーション」が有効です。性別や年齢、収入、ライフスタイルなど、顧客の性質によってグループ分けしていきます。その中から、自社の製品やサービスに関心を抱いてくれそうなグループをターゲットとすることができます。
ターゲットが定まったら、何をアピールしていくのかを決定する必要があります。その際に重要になるのが、ターゲットとなる顧客目線に立って、ニーズを読み解くことです。自社が取り扱う製品やサービスの強みはどういった部分なのかを考えて、他社にはないアピールポイントを打ち出しましょう。
アプローチの方法も重要になる
ターゲットとアピールポイントが決定したら、ターゲットに対して自社製品やサービスの魅力を最大限にアピールできる方法を考えましょう。ターゲットはどういった情報を求めているのか、アピールポイントをわかりやすく伝えるにはどうすればいいのかについて、顧客目線に立って検討することが重要です。自社の製品やサービスを利用することによって得られるメリットを具体的にイメージさせることができれば、新規顧客の獲得に大きく近づくことができるでしょう。
営業力の強化
営業力の強化もまた、新規顧客の獲得には欠かせません。営業力の強化には、営業の効率化が重要になります。「やればできる」といった旧態依然な精神論で営業を行っても、思うように新規顧客を獲得するのは難しいと言えるでしょう。Web、メール、電話、直接訪問などに分けて、それぞれの営業方法のマニュアルを確立することも、営業の質を均一化できるだけでなく、効率化につながるひとつの方法です。
また、ターゲットに対して闇雲に営業を行うのではなく、既存の顧客に紹介してもらうのも有効な手段です。一から信頼関係を構築するには時間が必要ですが、既存の顧客からの紹介であれば、ある程度信頼できる企業として認識される可能性が高いと言えるでしょう。
インバウンドマーケティングの推進
インターネットが普及している現在、インターネットを用いて情報収集するケースが一般的です。つまり、自社ホームページを開設していれば、提供する製品やサービスに関心のある顧客が自ら情報を求めてホームページを訪れてくれる可能性があるのです。
この際に重要になるのが、自社ホームページへの集客をいかに増やすかという点です。いくら製品やサービスに魅力があったとしても、ホームページを見つけてもらえなければ新規顧客の獲得にはつながりません。自社ホームページへの集客力を高める方法のひとつに、「SEO(検索エンジン最適化)」という手法があります。SEO対策を行う上で重要な要素として、ホームページ内で公開しているコンテンツの量、そしてコンテンツの内容(質)が挙げられます。顧客にとって有益な情報をこまめに更新し、自社ホームページへの集客力を高めましょう。
自社ホームページへの集客力を高め、製品やサービスの魅力を十分にアピールすることができれば、新規顧客の効率的な獲得につながるでしょう。
新規顧客を常連客にすることが重要
事業拡大はもとより、継続して利益をあげるために必要な新規顧客の獲得ですが、新たに獲得した顧客を常連客にするための取り組みも欠かすことができません。先述したとおり、一度利用してくれた顧客でも、競合他社に流出してしまう可能性は否定できません。そのため、新規に獲得した顧客を常連客にすることが重要なのです。言い換えれば、新規顧客の開拓は、安定した収益につながる常連客を増加させるための手段とも言うことができるでしょう。
より良い製品やサービスの提供に取り組むのはもちろんのこと、アフターサポートの充実化や、ホームページやSNSなどを用いて有益な情報を定期的に発信するなど、新たに獲得した顧客を常連化するための工夫を心がけましょう。
今回は、新規顧客を獲得することの重要性と、効率的に新規顧客を開拓するためのポイントをご紹介しました。継続的に利益を生み出すため、さらには事業を拡大していくためにも、新規顧客の獲得は必要不可欠です。そして、新たに獲得した顧客を、常連客にするための努力も忘れてはいけません。今回ご紹介した情報も参考に、効率的に新規顧客を獲得し、会社のさらなる発展を目指しましょう。