ホームページ作成の見積書は『コーディング費』など専門的な用語が並び、同じ項目でも制作会社によって金額が大きく異なるなど、検討は容易ではありません。 制作サイドにとっては必要な費用ばかりですが、クライアント側も内容を理解する必要があります。 情報更新に力を入れたい、デザインに力を入れたいなどの要望は見積もり内容に大きく影響します。 設計段階で要望をしっかり伝え、無駄な費用を抑えるためにも見積もり内容を精査しましょう。 完成後に費用が発生する運用費や保守費も注目しなければならない項目です。
目次
ホームページ作成の見積もりで失敗しないために!まずは内容を理解
見積もり金額が100万円を超えることも珍しくないホームページ作成の費用。
削減できる費用がないか検討しようにも『ディレクション費』、『CMS導入費』など難解な項目が並んでいて、一体何が削減可能な費用なのか困惑する方も多いのではないでしょうか?
ここではホームページ作成の見積書でよく見かける項目について解説します。
見積書にあまり含まれていない項目の中でも重要と思われるものについては解説に加えていますので、気になる項目があれば依頼先に確認しておきましょう。
発注後の料金トラブルを避けるためにも見積書の項目を一つ一つ理解し、価格は適正なものか、ホームページが完成した後になって追加される料金はあるのかなど確認する作業が必要です。
ホームページ作成の土台!構成や方向性を決める費用
『ディレクション費』や『プランニング費』は相談やプランの提示にかかる費用です。
ホームページ作成費用の中でも、高額な割に内容がわかりづらい項目なので、ある程度プランを自分でまとめている人にとっては必要性を感じないこともあるでしょう。
個人の会社などでは見積もり金額0円のところもあり、特に適正な金額がわかりにくい費用です。
しかしホームページの設計を決める大事な作業にかかる費用なので、安易に削減してはいけません。
特に商用のホームページの場合、プロのアドバイスで集客力は大幅にアップする可能性があるからです。
具体的にどのような相談やアドバイスが受けられるのか説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
ホームページ作成の方向性を決める『ディレクション費』の見積もり相場は?
ホームページ作成の見積書で目にする『ディレクション費』という項目。
方向や目的を意味する英語directionのことで、ホームページの構成や方向性を決める作業にかかる費用です。
専門知識を持ったディレクターなどの担当者が、まずクライアントから希望するホームページのイメージや要望を聞き取ります。
聞き取った内容を具体化し、アイデアを提示して方向性を定めていきます。
この作業がしっかりしている会社でなければホームページ作りは成功しないでしょう。
『ディレクション費』は中規模の制作会社なら5~10万円、大手制作会社を利用するなら15万円以上が相場です。
フリーランスなど個人で制作している会社に依頼すれば3万円ほどの場合もあります。
ホームページ作りを成功させるために必要な費用とは
『ディレクション費』に含まれることが多い『プランニング費』は、決定した方向性を実現するためのプランを提案する費用です。
複雑な仕組みのホームページ作りではコンテンツやホームページの管理・運用方法までしっかり設計しておかなければいけません。
大量のコンテンツの編集や管理を効率的に行うCMSの導入の有無や、SEO対策の検討、最近ではスタンダードになりつつあるスマートフォン対策など予算に合わせて組み込んでいきます。
商品価値を高めるブランディングの企画や費用についてもアドバイスを受けるとよいでしょう。
提案や相談といった費用は適正価格を見極めることが難しい項目なので、疑問がある場合は数社から見積もりを取ることも大切です。
集客力アップに有効! 『SEO対策費』に注目!
魅力的な内容のホームページが完成してもSEO(検索エンジン最適化)対策がされていなければ顧客の目に触れる可能性は低く、満足のいく集客は得られません。 顧客は検索エンジンで上位にヒットしたサイトに集まる傾向があります。 上位へのランクインを目指し、サイトの内部対策や外部対策など多くの施策を行うために『SEO対策費』が必要になるのです。 『SEO対策費』は結果が出た場合に支払う『成果報酬型』と一定の金額でサービスを継続して行う『固定料金型』があるので、自分のサイトに合ったプランを選ぶとよいでしょう。 対象のキーワード数や対応する検索サイト数などにより異なりますが、費用は月に1万円前後から10万円以上の見積もり金額が出されることもあります。
魅力あるホームページを作るために欠かせない3つの要素
SEO対策などで検索上位にランクインしてもホームページに興味を持ってもらえるとは限りません。
では、人を惹きつけるホームページに欠かせない要素とは何でしょうか。
最初に表示されるトップページのデザインが重要です。
商品のイメージに合ったデザインや興味を引くキャッチコピーは集客に大きな効果をもたらします。
さらに見た目と同じくらいに操作性も重要視される要素です。
思い通りのページや情報がスムーズに表示されないホームページは顧客にストレスを与えてしまいます。
常に新しい情報が飛び交うWebの世界では情報の鮮度も重要視されるので、コンテンツの更新にも気を配らなければなりません。
ホームページの顔を作るためにかかるページデザイン費
ページデザイン費は『トップページデザイン費』と『下層ページデザイン費』があり、金額は大きく異なります。
他のページとは別にデザインされるトップページと、共通する部分が多い下層ページとではデザインの複雑さや作業時間が違うので、ひとくくりに計算できないのです。
デザイン費は会社によるところも大きいのでバラつきが出やすい項目です。
トップページのデザインなら中規模の制作会社で5~10万円ほど、個人への依頼なら3万円ほどで依頼可能でしょう。
大手制作会社や個人でも実績のあるデザイナーに依頼した場合は、15万円を超えることも珍しくありません。
トップページの半額ほどで作成できる下層ページはページ数により金額が加算されていきます。
動きのあるホームページ作りに必要な『コーディング費』と『プログラミング費』
ページデザインが完成したら各ページをリンクさせ、切り替える機能を持たせる必要があります。
『コーディング費』は画面上の要素を個々に動作させるためのコードをHTMLファイルなどに書き出す費用です。
プログラミングなど専門の知識や環境が必要なので通常は制作会社に依頼します。
ページ数により作業量は異なりますが、大手の制作会社に依頼した場合、15ページで30万円ほどの『コーディング費』を請求されることもあります。
さらに画像の拡大や移動など、機能を拡張するためにJavaScriptを使用するためには『JavaScript費』、メールフォームやカウンタの設定には『CGIプログラミング費』が中規模の制作会社で各々5万円ほど追加されます。
スマートフォン対応を決めているなら『スマートフォン対策費』込みで見積もりを出してもらうとよいでしょう。
ホームページを魅力的に見せるコンテンツにかかる費用
充実したホームページにはコンテンツの充実が欠かせません。
『ライティング費』は記事やキャッチコピーの作成にかかる費用です。
文字数で金額が決定され、10~15ページの相場は2万円前後になるでしょう。
有料の写真などを使用したい場合は『素材購入費』として画像1点につき1000円~3000円ほどの費用が追加されます。
また、用意した画像を切り抜きなどの加工をして使用する場合には別途『画像費』が必要になります。
コンテンツの変更を頻繁に行う予定なら、あらかじめ『WordPress』などのソフトを使用したCMS(コンテンツマネジメントシステム)の導入を考えましょう。
『CMS導入費』を支払うことでサイトの内容を安くスピーディに変更できる仕組みを手に入れることができます。
大切なのは作成してからの更新・運用・保守!この見積もり項目が大事
完成したホームページはWeb上に公開された後も保守費用などの運営費が発生します。
この費用はホームページを運用していく限り必要となり続けるので、軽く考えてはいけません。
たとえば費用が、月に3000円だったとしても5年で18万円もかかるのです。
ちょっとした修正と思っても1文字修正を依頼しただけで修正費用が発生することも覚えておきましょう。
自分でできる作業もあるはずなので、設計段階からよく制作会社と話し合っておくと削減可能な費用もあるはずです。
これがないとホームページは公開できない?『サーバー保守費』が必要な理由
ホームページは完成したらWebサーバーに転送して初めて公開されることになります。
無料のプロバイダもありますが、通常商用に使う場合はセキュリティ対策などに信頼のおける有料のレンタルサーバーなどを利用します。
見積もり項目の『サーバー保守費』とはレンタルサーバーの管理委託費のことです。
サーバーに障害が起こった場合の対応や復旧を手助けしてくれます。
また、商用に欠かせないドメインの取得や管理費込みのレンタルサーバーもあるので同時にドメインを取得しましょう。
『ドメイン取得・管理費』と『サーバー保守費』合わせて年間で2万円程度が相場です。
最初の手続きは難しくありませんが管理が不安な場合は依頼しましょう。
ホームページは更新と運用が必要!ではその費用は?
ホームページの更新といっても数字だけの変更から画像差し替え、ページの追加と様々です。
数文字の変更なら500円くらいから、ページの追加となると数万円が請求されます。
このため『ホームページ更新費』は都度見積もりをしてもらいます。
更新の多いホームページならCMSを導入しておくことでクライアントが更新できる箇所が増え、コスト対策にもなるので『CMS導入費』は重要な項目といえます。
『運用費』については保守費用に含まれることが多く、障害が発生した時の対応やプログラムの更新などの費用になります。
作ったホームページは誰のもの?『制作物買取費』とは
完成したホームページは完成した後、Web上に公開されることで納品が完了したことになるのが普通です。
デザイン画面を含む画像やイラスト、加工写真などは制作会社が管理します。
同じ制作会社とずっと取引するのであれば、最新のデータを管理してもらえるメリットもあるので問題ないでしょう。
しかし他の制作会社に変更したい時、制作を依頼した個人の事務所が閉鎖になった時などは手元にデータがなければ、また一から作り直すことになってしまいます。
このような時に備えて画像や文字データを含めた制作物を買い取る費用が『制作物買取費』です。
費用は相談によることが多いので、先にいくらで制作物を買い取れるか確認しておくと安心です。
ホームページ作成の見積もり項目はこだわる内容優先で!
ホームページ作成の見積もりが高額になった場合、すべての項目を受け入れるのは難しいものです。
見積もり項目の内容を理解していれば、安く依頼できる費用だけ個人に依頼するなど、会社を分けて依頼することも考えられます。
大きな制作会社はクオリティの高いホームページを期待することができますが、長い運用期間を踏まえて無理のない見積もり金額で決めることが大切です。
トップページのデザインなどお金をかけてもよいと思うものを優先し、こだわりのない部分はシンプルになるように相談していくと、自分に合った見積もり金額になるはずです。
数社から見積もりを取った方がより納得しやすいでしょう。