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信頼と価値を醸成するブランディングの手法

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いきなり「ブランディング」と言われても、何のことだかわからないという人もいるでしょう。ブランディングというのは、簡単に言えばブランドの価値を高めることです。

例えば、自社ブランドの商品を開発して売り出したとしましょう。最初はもちろん知名度がないので、そう簡単には売れません。そこでブランド力を高めるために、いろいろな方法を試そうとします。これがブランディングなのです。

今回は、「この会社は信頼できる」と思わせるためのブランディングの手法についてご紹介します。

ブランディングとは

ブランドと言うと、高級品や企業のロゴをイメージする人も多いことでしょう。バッグや毛皮のコートなどの商品に対して使用することも多いでしょうが、ブランドというのは、高級品やロゴを指す言葉ではありません。この企業の製品であれば安心できる、信頼できるという、品質についての企業と消費者の約束だと言えるでしょう。

ブランディングのことを知るために、まずブランドの語源について確認しておきましょう。ブランドというのは、放牧されている牛に押していた焼き印のことです。1頭だけを放牧しているということはまずありません。少なくても数十頭、多ければ数百頭放牧している場合もあります。このようなたくさんの数の牛が放牧されてしまうと、牛の所有者を判別できなくなってしまう可能性があります。

そこで、牛の飼い主を明確にするために所有する牛に焼き印を押したことがブランドの語源だと言われているのです。次第に、牛の所有者を明確にするための焼き印から、商品が本物であることを示すロゴや名称のことをブランドと呼ぶようになったのです。つまり、ブランディングの根本には「差別化」があると言えるでしょう。

ブランディングはイメージ作りのためだけに行われているのではない

ブランディングによる他企業との差別化の例に、ロゴやネーミングが挙げられます。高級素材を用いたデザインや、所有することによってステータスを高めることができるというイメージ作りも必要だと言えます。

しかし、イメージだけを作るのがブランディングの本質ではありません。「この企業の製品は長持ちする」、「この企業であれば安心して使用することができる」といった、高いクオリティを提供することを顧客に約束することがブランディングだと言えます。

ブランドの価値は、一朝一夕に高めることができるものではありません。企業や製品のブランド価値は、長い期間をかけて顧客に定着していくものなのです。また、着々と信頼を蓄積していたにもかかわらず、不祥事などによってブランド価値が急落してしまう場合もあります。例えば食品業界であれば、食中毒などの不祥事を起こしてしまうと、一気にブランドの価値が下がってしまい、本来であれば安全に食べられる食品に対しても、顧客は不信感を抱いてしまうのです。そうなると、信頼を回復するのに相当な時間を必要としてしまうでしょう。

ブランディングの重要な視点

企業の製品やサービス、もしくは企業自体をブランディングしていくためには、時代のトレンドや社会の動きといった環境分析が重要になります。競合他社との差別化を図れるポイントをあらかじめ明確にしておくことが大切だと言えるでしょう。そのためには、「ターゲット」、「コンセプト」、「ポジショニング」の3つの視点を意識する必要があります。

一つ目の視点であるターゲットは、「誰を対象にしているブランドか」ということです。ファッションブランドを例にターゲットを見てみましょう。一般的に、ファッションブランドの多くはメンズ、レディースといったように性別で分類されています。また、フォーマルやカジュアル、アウトドアなどで分類することもできます。さらに、年齢もターゲットを決める上では重要な要素になります。自社の商品やサービスは、どういった層をメインターゲットとしているのかを明確にしておきましょう。

二つ目の視点であるコンセプトは、「ブランドの方向性」を示すものです。「大人可愛い」、「アクティブな大人の男性」など、様々なライフスタイルを提案することが大切です。商品のデザインやネーミング、ターゲットは、ブランドの方向性であるコンセプトに沿ったものであることが大切です。

三つ目の視点であるポジショニングは、業界におけるブランドの位置付けです。競合他社の商品と自社商品の差別化には、ポジショニングマップというマトリクスを用いて表現します。

これらの3つの視点を意識することが、ブランディングを行う上で大切なのです。

ブランドは企業の財産

Business branding label chart graphic

企業にとってブランドというのは、企業の財産だと言っても過言ではありません。なぜなら、ブランディングによってブランドが消費者に浸透し、信頼を獲得することができれば、「この会社の商品であれば品質に問題はない」「このブランド商品であれば満足できる」というように、プロモーションに注力しなくても、無条件に商品を購入してくれるファンが生まれます。

例えば、ある企業のプロセッサを搭載しているパソコンのテレビCMの最後に、企業のロゴと同時に独特のサウンドロゴが入るとします。そのプロセッサの企業がブランドを確立していた場合、消費者は「その企業のプロセッサを搭載しているのであれば、高性能に違いない」というイメージを抱く可能性があります。

また、企業がブランディングによって、市場における地位を揺るぎないものにした場合、その市場には後発の企業が参入しづらくなります。なぜなら、市場におけるブランド認知が定着しているため、新たなブランドは顧客に覚えてもらえない状況になるためです。競合他社に対する優位性を得るためにも、ブランディングは重要だと言えるでしょう。

さらに、ブランディングは製品やサービス、ロゴだけにとどまらず、社員の行動にも及びます。お客様に対する約束をブランド・ステートメントとして文章化し、社員の行動規範として徹底することもブランディングと言えるでしょう。社員がお客様に対してどのような姿勢で対応するのかといった部分まで徹底することで、企業のブランド価値を高めることができるでしょう。

まとめ

今回は、企業や製品、サービスの信頼と価値を獲得するためのブランディングについて解説してきました。いかがでしたでしょうか。

ブランディングは目に見えるものだけではなく、お客様に対してクオリティを保証することが大切です。「ターゲット」、「コンセプト」、「ポジショニング」を明確にし、長い期間をかけてお客様からの信頼を獲得していく必要があります。しっかりとブランディングを行い競合他社との差別化を図り、市場での地位を獲得することができれば、築き上げたブランドは会社にとって大きな財産となります。今回ご紹介した情報も参考に、お客様からの信頼を獲得するブランディングに取り組みましょう。