インターネットを利用したプロモーションは今や珍しくなく、その手法はさまざまです。そのようなプロモーション手法のひとつである、PPC広告というものをご存知でしょうか。PPC広告とは、「Pay Per Click広告」の略で、ネット上における広告の掲載自体には料金がかからず、広告が実際にクリックされ、閲覧された回数に応じて費用が発生するクリック課金型のインターネット広告を意味します。YouTube等の動画サイトで動画を視聴する際に、初めに表示される動画広告などはその典型的な例といえるでしょう。
インターネット上の広告をクリックするということは、閲覧者がその商品やサービスに興味を示しているということを意味するため、不特定多数に見てもらうテレビや雑誌などの広告に比べ、費用対効果は高く、より効率的に顧客を獲得できるといったメリットがあります。そのため、現在のインターネット上の広告では、このPPC広告が主流となっています。また、PPC広告における1クリック毎に発生する費用のことをCPC(Cost Per Pay)といいます。
今回は、従来の広告より成果を実感できるPPC広告の詳細について解説していきます。
PPC広告 のメリット
PPC広告にはどのようなメリットがあるのでしょうか。そもそも従来の一般的な広告では、広告を掲載すること自体に費用がかかり、その媒体の露出の多さ、即ち閲覧者が多ければ多いほど、費用は高額となっていく手法が取られていました。例えばテレビであれば、視聴者の多い時間帯や、人気番組の途中でコマーシャルを流すためには高い費用がかかり、同様に雑誌などにおいては、発行部数によって費用が決められるのが一般的です。
しかしながら、このような広告の場合、実際に閲覧している人がどの程度その商品に興味を示しているか調べる手立てはありませんでした。例えば、テレビにおけるコマーシャルを数万人の人が見ていたとしても、実際にその商品に興味を持っている人の数は、広告を出している側にはわかりません。そのため、広告の掲載によって、どれくらいの費用対効果が現れているのかを知る術はありませんでした。
この点においてPPC広告では、自らの意志でクリックして広告を閲覧するということが商品への興味を表しており、「クリックの回数=見込み客の広告へのアクセス」と捉えることができます。つまり、広告の掲載によって、どの程度の費用対効果が得られているのかということを把握することができます。従来の広告とは異なり、効果に費用を払う、無駄のない広告体系であるという点が、PPC広告の大きなメリットといえるでしょう。
PPC広告の種類
PPC広告には、大きく分けて「検索連動型広告」と「興味関心連動型広告」の2種類があります。この2種類について、その詳細や特徴を解説していきます。
まずは、「検索連動型広告」についてです。検索エンジンで特定の語句を検索した際に、検索結果と同時に、その語句に関連する広告が表示されることは多くの方がご存知かと思います。あのような広告は、検索連動型広告の典型的な例といえます。検索連動型広告は、広告を掲載する側が関連するキーワードを指定し、そのキーワード、もしくはそれに関連する語句が検索された際に広告が表示されるような仕組みになっています。1クリックあたりの費用は、入札によって決められることが多く、特に人気のあるキーワードの場合、1クリックあたりの費用も高額になります。
一方で、「興味関心連動型広告」は、他人が運営しているWebサイトやブログなどに表示される広告のことを指します。例えば、特定の料理に関する記事を多く掲載しているブログに、同じ種類の料理を提供している飲食店の広告を掲載すれば、そのブログの閲覧者の多くは、広告の飲食店の方にも興味、関心を抱くことでしょう。また、最近では一定期間内にユーザーが閲覧したサイトや、検索した語句に基づいて、興味を持ちそうな広告を表示するバナー型の広告も多くなっており、これも興味関心連動型広告に該当します。この手法の場合、その費用はより多くのユーザーのアクセスが望めるサイトほど高額になります。例えば、人気タレントのブログであれば、広告の掲載費用も高くなるといったシステムが採用されています。
これら2種類のPPC広告を比較した場合、一般的には、検索連動型広告の方が費用対効果は高いといわれています。その根拠として、広告自体が商品に関連するキーワードを検索したユーザーにのみ表示されるため、より購買意欲の高い新規顧客にアプローチができることが挙げられます。しかしながら、興味関心連動型広告の場合、一部の人気サイトなどにおいては、特定の商品に対する購買意欲を持つ人が桁違いに多くアクセスしているケースもあることから、その費用対効果はケース・バイ・ケースといえるでしょう。
広告の費用対効果を上げるために
それではPPC広告を利用してプロモーションを行う際に、費用対効果を上げるためにはどのようなことをするべきか考えてみましょう。
一般的にPPC広告を掲載する際には、専門的な知識が豊富な代行業者にすべての作業を一任するということが多いようです。しかしながら、近年急速に普及したPPC広告業界に関しては、その知識が不十分な代行業者も多く存在しており、業者の選定は特に慎重に行う必要があります。また、代行業者へ支払う費用の算出方法としては、広告そのものの費用に対して10~20%を上乗せして支払う「従量課金型」、毎月決まった額を支払う「固定額課金型」、更には従量課金型と固定額課金型を併用する方法の3つのパターンがあります。この中でも固定額課金型の場合、その内訳によっては実際に広告にかかる費用と、業者の利益となる費用のバランスが適切ではないケースも多く、余計な費用を毎月支払っていることも多いようです。広告の掲載による費用対効果を上げるためには、このような費用の見直しを行い、それに基づいて業者を選定する必要があるといえるでしょう。
また、代行業者に依頼して検索エンジンに検索連動型広告を掲載する場合、業者側が報告してきた掲載件数と、実際に掲載された広告の件数が合わないといったケースもあります。しかしながら、検索エンジンにアクセスするだけでは、自社の広告が何件掲載されているか確認することは困難であるため、代行業者に広告の掲載を依頼する際には、必ず管理画面のIDとパスワードを開示してもらい、代行業務が適切に行われていることを随時確認する必要があります。
すべての代行業者が該当するわけではありませんが、常に監視する姿勢を崩さないこともまた、費用対効果を高めるためには重要となります。
まとめ
今回は、インターネット上でのプロモーション手法としてメジャーな存在のPPC広告について、その詳細を解説しました。いかがでしたでしょうか。
従来のインターネット広告を利用したプロモーションは、専門的な知識を要するものが多く、手を出しづらいという難点もありました。それに比べ、PPC広告はそのシステムも比較的わかりやすく、手が出しやすいインターネット広告といえるでしょう。広告の掲載による効果を実感しやすいといったメリットもありますので、新たなプロモーションの開始を検討している企業などは、候補に入れておくと良いでしょう。